伊東潤さん「巨鯨の海」 人間の躍動感と海の描写で迫る新たな歴史小説

伊東潤さん「巨鯨の海」 人間の躍動感と海の描写で迫る新たな歴史小説
★伊東潤さん「巨鯨の海」光文社・1680円
ZAKZAK2013.06.16
連載:ブック


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伊東潤さん

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 今、最も旬な歴史小説作家である。今年『国を蹴った男』(講談社)で吉川英治文学新人賞を受賞、そして14日に授賞式が行われる第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞を『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で受賞。波に乗っている作家の最新刊は和歌山県太地町の古式捕鯨にまつわる人々の悲哀を描いた『巨鯨の海』(光文社)だ。 (文・写真 竹縄昌)


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伊東潤(著)『巨鯨の海』(光文社、1680円)


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 ──構想はいつ頃から

 「3、4年前でしょうか。自分の(作品の)“コアコンピタンス”(企業における強み)とはなにか、を考えたんです。元々コンサルタントだったのでそういう発想をするということもありますが、2007年のメジャーデビュー以来、戦国時代の合戦を描き続け、人間の躍動感を描くことには自信がありました。でも、そればかり書いているとワンパターンになってしまうので、異なる世界を書きたいと思ったのが2009年頃のこと。人間が生き生きと躍動する仕事は何か、を考えました。『幻海』(光文社)という作品で海の表現には自信を持っていたので、人間の躍動感と海の描写という2つのコアコンピタンスを生かせるものを考えていたら、古式捕鯨に行きつきました。題材選びも事業と同じだと思います。作家としての強みを生かすことで、作品はさらに輝きを増します」

 ──6つの短編、それぞれに話は独立しています

 「歴史を描く場合、信長は本能寺で死ぬなど、読者は結末がわかっているわけです。だから歴史小説家はストーリーテラーとしては見られません。それゆえ今回は、その部分をアピールしたかったこともあります。一つ一つ、同じような話にせず、違った傾向のものをそろえました。しかも、それぞれの話には20年ほどの時差を設け、あえて登場人物の重複も避けました。太地という土地は変わらずとも、人はどんどん変わっていく。そうした時間の流れのむなしさまで描きたかったのです」

 ──明治に入って古式捕鯨の終焉も描かれます

 「本書は当時の太地町という閉鎖社会を舞台にしているわけですが、その中では独特の掟や価値観が生まれてきます。これは現代の企業と何ら変わりません。日本の企業がオープンだと思っているのは社員だけで、実際は独自の企業文化に染まっています。ケアレスミスを繰り返す東京電力しかり、プラズマディスプレイに固執したパナソニックしかり、堺工場に過剰投資したシャープしかりです。これらの企業の過ちは、閉鎖社会のなせる業なのです。小説の中の太地で描いたことは、大企業のメタファーでもあります」

 ──今後は

 「歴史小説の面白さを次の世代に伝えていくことが、自分の使命だと思っています。特に若い世代に、小説を通じて、楽しく歴史を学んでほしい。歴史は教訓の宝庫だからです。同時に、物語性を強く打ち出した作品を書いていくつもりです。歴史の新解釈と物語性が高度なレベルで融合した作品を書いていきます」

 ■あらすじ 江戸から明治初期、和歌山県太地町を主な舞台に繰り広げられる人間ドラマ。『小説宝石』に連載された6つの短編で構成。青春物語、推理小説的な味わいの物語、家族の悲哀の物語など巧みなストーリー展開は、読み手を離さない。古式捕鯨の過酷さ、鯨を崇める太地の人びととの命のやり取りも詳細に描かれる。

 四面を海に囲まれていながら、作品が少ないと言われる日本の“海洋小説”の傑作ともいえるだろう。

 ■伊東潤(いとう・じゅん) 1960年、神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、外資系IT企業に勤務。その後、経営コンサルタント業に従事。2003年から歴史小説の発表をはじめ、2007年、『武田家滅亡』(角川書店)でメジャーデビュー。10年から専業作家。11年、『黒南風の海 加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』で、「本屋が選ぶ時代小説大賞2011」を受賞。『城を噛ませた男』(光文社)と『国を蹴った男』が直木賞候補。来月、文藝春秋から、信長の家臣団を描いた『王になろうとした男』を上梓する。歴史研究新書など著書多数。





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