著者インタビュー…「女の庭」花房観音氏

【著者インタビュー】
「女の庭」花房観音氏
【話題】
日刊ゲンダイ2013年1月9日 掲載


「女の庭」花房観音著(幻冬舎 1575円)


画像


<「京都は“呪い”の土地。女たちは解放されず、今も呪縛されてるのかも」>

 この小説は官能なのか、はたまたミステリーか。サイコホラーと呼ぶ人もいれば、男性のための啓発本という声も聞こえる。
「基本的に官能小説は男性のファンタジーで、勃起させるのが目的。今作は女性向けに正直に描いたので、男性を“萎えさせ”てしまうと思います。女がこんなことを考えながらセックスしていると知りたくないでしょうし(笑い)。怖かったと言われるのが一番うれしいです」

<淫らな京女たちの性をリアルに描く>

 舞台は京都。重要文化財の多い東山区にある女子大を卒業した女たちの物語。恩師である教授の葬儀で12年ぶりに再会した5人は、それぞれが心の闇を抱えている。学生時代、教授が残したあるビデオが女たちの“性”に波紋を投じていたのだ。
「京女っていいイメージがありますよね。女らしくてたおやかで。でも芯が強いというか、決してブレない根っこのようなものがある。裏表の差が激しくてびっくりすることも多いんですよ。京女というブランドを演じているフシもありますし」

 京都が舞台の小説は多々あるが、京女の本質をえぐる作品は少ない。
「5人の女たちには生粋の京女もいれば、いわゆる“よそさま(京都以外の出身者)”もいます。それぞれがちょっと不幸で、京都という土地に呪縛されているんです。恋愛やセックスを謳歌しているように見えて、実は不自由で行き場のない女性って多いんですよ」
 奔放な肉体関係におぼれる女、世間体とプライドに縛られつつも欲求不満の女、被虐的な性癖を持つ女……リアルで淫(みだ)らな性描写は女たちの心の闇をより鮮明に映し出す。
「京都の人は京都が日本一で、標準語は京都弁と本気で言い張るほど(笑い)。京都と京都以外で分けて考えますし、京都を出て暮らすなんて考えもつかないといいます。出ていく勇気をなくさせる何かがあるんでしょうね。私は“呪い”だと思っています(笑い)。桓武天皇が築いた京は、基本的に怨霊(おんりょう)鎮めの結界なんですよ。京都は怨霊や魑魅魍魎(ちみもうりょう)がいる土地なので、女たちは今も解放されず呪縛されているのかもしれません」

 ビデオを巡る謎、古都独特の淫靡(いんび)さに淫猥(いんわい)で扇情的な性描写、女たちの業の深さと腹黒の心象風景。読み手によって印象が分かれ、ジャンル分けが難しい問題作でもある。

◇はなぶさ・かんのん 2010年に「花祀り」で第1回団鬼六賞大賞を受賞し、作家デビュー。映画会社、旅行会社勤務を経て、現在は執筆と現役バスガイドを兼業。京都女子大学文学部教育学科中退、京都市在住。京都観光文化検定2級所持。著書に「寂花の雫」など。


女の庭
幻冬舎
花房 観音

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 女の庭 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル




女の庭 [ 花房観音 ]
楽天ブックス
花房観音 幻冬舎発行年月:2012年11月 ページ数:301p サイズ:単行本 ISBN:97843


楽天市場 by 女の庭 [ 花房観音 ] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック