東京新聞2012年11月27日【自著を語る】…『勝てないアメリカ』 大治朋子さん

【自著を語る】
『勝てないアメリカ』 大治朋子さん(毎日新聞外信部編集委員)
東京新聞2012年11月27日



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『勝てないアメリカ 「対テロ戦争」の日常』(岩波新書) 大治朋子著(岩波書店 861円)


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勝てないアメリカ――「対テロ戦争」の日常 (岩波新書)
岩波書店
大治 朋子

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勝てないアメリカ [ 大治朋子 ]
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「対テロ戦争」の日常 岩波新書 大治朋子 岩波書店発行年月:2012年09月 ページ数:258p サ


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商品情報
・発売日: 2012年09月
・サイズ: 新書
・ページ数: 258p
・ISBNコード: 9784004313847

【内容情報】
圧倒的優位にあるはずの米軍が「弱者」に翻弄される。衛星通信を使った無人の爆撃機や偵察ロボットなどハイテク技術を追求するが、市民の犠牲は増え続け、反米感情は高まる。負のスパイラルに墜ちた「オバマの戦争」。従軍取材で爆弾攻撃を受けながら生き延びた気鋭の記者が、綿密な現場取材から、その実像を解き明かす。

【目次】
第1章 見えない傷
「見えない傷」を追う
発症メカニズムは謎
大統領の対応
二正面戦争のツケ
第2章 従軍取材で見た基地の日常
山ほどあるルール
メディアとの闘い
基地の中は「アメリカ」
それぞれの思惑
第3章 泥沼化する非対称戦争
「持てる者」と「持たざる者」
情報戦の厚い壁
果てしない「国づくり」
ローテクがハイテクを制す
「トモコ、これがIEDだ」
第4章 「終わらない戦争」の始まり
ロボット時代の幕開け
誤爆のメカニズム
ゲーム世代の兵器
戦争の潜在化
「どう見られるか」の戦い
悪循環のスパイラル
終章 勝てないアメリカ

【著者情報】
大治朋子(オオジトモコ)
東京都生まれ。1989年毎日新聞入社。阪神支局、『サンデー毎日』編集部、東京本社社会部、英オックスフォード大学留学(ロイター・ジャーナリズムスタディー・フェロー)等を経て2006~10年、ワシントン特派員。現在は東京本社外信部編集委員。2002・03年の新聞協会賞をそれぞれ受賞。2010年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞

◆10ドル爆弾に疲弊する米軍

 アメリカが十年以上も推し進めた「対テロ戦争」とはいったい何だったのか。ハイテク装備で世界最強といわれる米軍は、なぜこれほど時間と戦費をかけてもなお「勝てない」のか。アメリカが掲げる二十一世紀の「ロボット戦争」とは、いったいどんなものなのか。

 二〇〇六年秋にワシントン特派員として米国に赴任した私は、米政府への取材を重ねるうち、むしろ山ほど疑問を抱くようになった。オバマ大統領が「必要な戦争」と断言したアフガニスタンに行き、駐留米軍に一カ月間、従軍取材した。

 そこで見えたのは激しい戦闘でも、血まみれの戦場でもなかった。まだあどけない表情の二十歳前後の兵士たちが、路上に仕掛けられた十ドル程度の手製爆弾に神経をすり減らし、疲弊していく姿。爆弾が炸裂(さくれつ)し、爆風のもたらす衝撃波で認識力や知覚に異常をきたしていく姿。地元部族の長老たちの信頼を得ようとするが、会話がかみ合わずいら立つ姿。アマゾンの通信販売で最新の映画やゲームソフトを基地に取り寄せ、サーティーワン・アイスクリームをほおばり、戦場ストレスを癒やす姿だった。

 アメリカが追求する未来の戦争の形も垣間見えた。米国本土から、衛星通信を使って一万キロ以上も離れた戦場に無人の攻撃機を飛ばし、モニター画面に映る「戦場」で「敵」を殺す。殺人ロボットを操る者の中には、民間軍事会社の社員もいた。使う側の身を絶対的に守る無人機は、「米兵が死なない」戦争を可能にし、オバマ大統領はその技術を称賛する。ロボット化は陰惨なはずの戦争の実態を見えにくくしていくが、中国や韓国、中東諸国はいま、米国に追随しようと無人機技術の開発競争に躍起だ。

 アメリカの対テロ戦争を追うほどに、見えてきたのはむしろ、アメリカ社会の実像であり、二十一世紀の戦争の現実だった。

 取材先は米国内外の基地や軍病院など計十五カ所以上におよんだ。「謎解き」をまとめたような本だが、オバマ大統領の推進する戦争のありようとアメリカ社会を知る助けとなればうれしい。 (岩波新書・八六一円)

 おおじ・ともこ 毎日新聞東京本社社会部、ワシントン特派員を経て現職。2002、03年の新聞協会賞、10年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。共著に『ジャーナリズムの条件1 職業としてのジャーナリスト』など。








蒼海に消ゆ 祖国アメリカへ特攻した海軍少尉「松藤大治」の生涯
集英社
門田 隆将

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